2019 年 6 月 14 日(金)北海道小樽市にてインターンに対する不安を解消し、企業の方とラフに話すことを目的としたインターン説明会『 Job Pass 1 』が開催されました。
今後の就活ルール廃止による就職活動の早期化と長期化が予想される中、早い段階から学生と企業が関係を築く「インターンシップ」はより重要な存在となってきます。
そんな中、このイベントを企画から運営まで行った団体、『
【学生インタビュー】O to B
イベントを行ったきっかけは?(思い)
出村 晴香さん(以下、晴香):スキー学習の班の人と「社会人と交流持つ機会ってなかなかないよね」という会話がきっかけかな。
それと前から父に「企業と学生が交流できる場を作ってほしい。」って言われてて、社会人と関われるイベントを企画したら交流を持てるし、父の願いも叶えられるし、私は人と会うのが好きだしみたいな感じでかるーく思ったのがきっかけなんですよね。
でも多分康太は違うよね、きっかけは。
竹林 康太さん(以下、康太):小樽商大で一年過ごして、「就活に対して意識高い学生が多い割に、具体的に何かを知れたり、話したりできるイベントがないなー」っていうふうに思ってて。
そこで晴香の話を聞いて、社会人と会うっていうのはすごい面白そうだし、就活と絡めたら面白そうじゃないかって思ったのがきっかけです。
ー多くの小樽商大生はそういった思いを持ってるんですかね?
康太:どうなんだろ。
イベントを開催してみて、不安からくるものかもしれないけどやっぱり「なんかしたい」「知りたい」とか思ってる人は結構いるのかなとは思ったけど。
晴香:康太とか他のOtoBメンバーの周りには誘ったら来てくれる人もいたし、「是非ともその活動は応援したい」みたいな方もいたけど、私の周りにはあまりいなかったから商大生はそんなに思ってないのかなって思っちゃった。
ーそこで実際に行動に移せた原動力はなんだったのでしょうか?
晴香:なんか、「失敗するわけがない」、「失敗なんかない」って父からすごい言われてて。「これやりたいんだけど、でも難しいんだよね」って相談しても、父が「やれやれとりあえず、どうせ失敗なんてないんだから」って。
私もそこで本当かなって思ってたけど、いざ「どうなったら失敗なんだろう?」って考えたら、確かに失敗ってないなって。負債を生む訳でもないし、経歴に傷がつく訳でもないし、友達がいなくなる訳でもないし。「だったらやっちゃえ」って。「やらないよりはやったほうがいいかな」って思ったのが原動力かな〜って思います。
結構学生って「何かやりたい」って思ってる人多いじゃないですか。私全然そんな意識なくて。だから、何だろう、もっと簡単にできると思ってた。
イベントで良かったことは?
晴香:良かったことはやっぱり先駆けになれたことです。
「これからインターンとか就活する上で、このイベントで初めて大人と喋れて参考になりました。」っていう学生の声が多かった。
企業さんからも「学生さんが意外とこんなこと思ってたんですね。」という声や、ある会社の社長さんに「地元企業として反省しました。これから自分も積極的に関わっていきますし、もし何かお手伝いできることがあれば遠慮なく言ってください!」って言って頂けて、こっちはただ呼んだだけなのにそれを感謝されて。
みんながそれぐらい気持ちに転機が訪れるようなきっかけになれたから、イベントの内容自体はすごくいいもので、もしもう一回戻れるんだったらもっと力入れたかったなって思いました。反響は良かったです。
康太:僕は個人的にはいろんな人と出会えたことです。
『ふたラボ』さんもそうですし、他大学のゼミの学生さんもそうですし。晴香もいたからってのは大きいんですけど、いろんな人と出会って、いろんな人に相談して、いろんな話聞きながら頼ったりしてなんとかイベントが形になったんで、自分の価値観を広げながらできたっていうのが一番良かったことかな。
イベントに関しては、お堅い感じの合同説明会には行けなくても「ご飯タダで食べれるし、友達がやってるから来てよ」みたいに言ったら結構来てくれたっていうのがあって。
実際社会人といきなり喋るっていうのはお堅いイメージがあるけど、普通の人間だし、食べながらだったら企業の方も砕けた感じで喋って頂けたので、お堅いイメージの壁を壊せたことがデカかったかなっていうのは一番思います。
企画段階での苦労・大変だったことのピークは?
晴香:私にとってのピークは2回あって、1回目は周りの大人に反対されたとき。2回目は学生が集まらなさすぎたとき。
最初、ある教授に「良い意見をもらえるかもしれない」「協力してくれるかもしれない」ってアイデアを持っていったら、「そんなもん学生がしてなんの得があるんだ」みたいな。「いや得とかで動いてないし」って思ったけど、それで大反対されて、私の士気も落ちたけど、みんなの士気も落ちちゃったし、上げる人もいなかったのが一番辛くて。でもなんかこれで終わらせるのもシャクだって思って。
今はイベントを乗り越えて成功させたから、簡単に「あんなこともあったね」って言えるけど、当時は本当になんかもう、『自己否定』みたいな。教授はそのイベントを否定するんじゃなくて、個人を否定してきたから。「お前なんて意味ないことしてる」みたいな。
で、すごい落ち込んで、どうやって乗り越えたかも覚えてないくらいその時の記憶が曖昧。
どうだったあれ?
康太:動いてる間に時間経って忘れたっていうのもあると思うんだけど、そのタイミングである知り合いに会って、「そんなん気にしなくていいじゃん」って根拠はないんだけどすごい信じられるような言葉をもらって。
それで『
晴香:私はね、そんなすごいことって思ってやってない(笑)
康太:すごいことっていうのはあれだけど、一応教授に言われたような事とは違うような反応が返ってきたから、、
晴香:企業が味方になってくれたのが嬉しかった。やってくうちに敵も増えてったんですけど、それ以上に味方の方が多かったから、自分の行動を信じてやってきました。
今は敵になってないけど大学の学務課も敵だったし。実際周りの大人に話した時も「それってどうなの?」って言ってくる人もいたから。
学生自身は批判しないんですよ、よくわかんないし。でも「興味ない」って反応されちゃうとなんか悲しくなる。「あぁ、求められてないんだ」「学生にとってはいらないのかな」って思っちゃうから、そういう人間に会う度にショックでした。落ち込んでた一回一回。
ー実際に開催したあとの反応はどうでした?
晴香:学務課には報告書を提出したんですよね。そしたら「すごいいいね」「次も頑張ってね」みたいな感じだったから、成功すればいいのかなって思いました。
康太:多分何か事件が起こらなければこう言うだけで、、
晴香:そうそう。応援してくれる人間は応援してくれる人間で味方にしようかな。今までは大人ってだけで『すごい』みたいなところはやっぱりあったけど、今はもう逆にないです。大人も大人で色々あるし、話半分で聞いて良い所は取り入れて、変だなって思った所はそういう考えの人もいるんだなって思うことにして、鵜呑みにするのはやめようって。教訓。
新しくことを行う上での、2つの『味方の集め方』とは?
晴香:私の中では2つあって、今回やって思った1つは、本当に近しい人間から声をかけること。
それこそ康太は友達だったし、もう一人の女の子も私は「絶対に興味ないだろう」と思ってたけど、康太から「声かけたの?」って言われてほぼダメ元で声かけたら「いいよ」って言ってくれて。私じゃなかったら絶対賛同してくれなかったけど、多分いっつも一緒に授業受けてるから「いいよ」って言ってくれた。
近しい人の方が「それ違う」ってぶつかったときも言いやすいし、集めやすいし、のってくれるかなって思います。
もう1つは『フッ軽な人』に声をかける。「これやって」って言われた時に「あぁいいよいいよ」みたいな人の方が私自身進めやすくて、多分のってくれるし、集めやすい。それこそ康太も考えが柔軟だし。
康太:僕が一番思ったのは、自分の考えを常に出していかないとダメかなっていうのはすごく思いました。これは僕がまだできてないことで、この活動を通してやらなきゃダメかなってすごく思ってて、自分なりに頑張ったんですけど。
自分の考えを出すことで味方になってくれない人もいるけど、味方になってくれる人も逆に増えてくるから、人を集めるって意味でも、みんなに知ってもらうって意味でも、「自分はやりたいんだ」って周りに出してくっていうのが大事かなって思いました。
晴香:確かに、私出してしかいない。ずっと出してるから敵も増える。(笑)
イベントをより良いものにするために企画段階で意識してたことは?
晴香:私は、絶対批判はしないって決めてました。
例えば、やる上で意見の衝突があっても、相手の意見を殺してまで自分の意見を通すんじゃなくて、できるだけその人に「うん、いいよね、でもこうしたほうがよくない?」とか「いいけどこういう案もあるから、これとこれ合わせてこれどうかな?」みたいにいこうって最初に決めてたんだけど、、
できてた?康太にはめっちゃ批判したけど企画には批判してない(笑)
康太:カーネギーの『人を動かす』って本あるじゃないですか。晴香はそれをいきなり買ってきて読み出して、それでちょっと変わったっていうか。本を読んだだけで変われるのすごいなと思ったんですよ。
晴香:人間関係でうまくいかないことがあって、本買って変えよって思って。
そのとき、誰かが意見したことに対して批判したら、次意見を出してくれることもなくなっちゃうからそれはやめようって思って。企画とかに関しては絶対反対しないって決めました。
でも多分康太には反対したんだよな。なんでだろう(笑)
康太:(笑)おれは晴香が批判しない分どっかでちゃんと意見をぶつけ合いたかったっていうのはあって。
ここ(晴香と康太)ではぶつけ合ってるからなんとかなったけど、もう少し他の人とも喋れてたらもっとうまくいったんじゃないかなってすごく思ってて。
それがLINEとかの媒体を通してだとなかなかうまく言えない人の方が多いし、発言しないから直接会って話すってことは結構大事にしてて。
それは集客の時も同じで、「自分たちがこういうことをします。」っていうときにLINEだけ投げるんじゃなくて、実際会って「こういうことやりたいから来てくれないか。」って話すことを結構意識してたんで、直接会って話すって結構シンプルだけど難しくて、でも一番効果的だったかなって思います。
このイベントを通して、一番得られたコトは?
康太:行動力ですね。
自分は一歩踏み出すのが苦手で、いろんなこと考えちゃって「どーせできないや」とか、「え、無理だろ」ってすごい思うから一歩踏み出せなくてやらないってこと多かったんだけど、とりあえず何も考えずにやってみるっていう人たちをこの活動を通していっぱい見たんで、一歩踏み出す勇気っていうのは結構身についたとは思えないけど、自分の中にちょっと芽生えたのかなっていうのは思います。
晴香:私は思ったより指示能力が無かったことに気づけたこと(笑)
今まで自分が「これやって」って言ったり、人から「これやって」って言われてこなすことは当たり前のようにできて、コミュニケーションも取れてると思ってたけど、それは周りの人間が優秀だっただけで自分が優秀だったわけじゃなかったって気づけたのはよかったです。
そのまま天狗になってたら、「なんでみんな察してくれないの?バカなの?」みたいな嫌な奴になっちゃうけど、バカなのは私で私の能力が低いってことに気づけたのは大収穫でした(笑)本当に。
ーリーダーが「これはできるけど、これはできない。」って言ってくれたら、「じゃあ私はここカバーする。」ってメンバー自身も存在価値を認識できるので、白黒はっきりしてる感じはとてもいいと思います。
晴香:結構できないことは多くて。人の気持ちを察することも苦手なんですよね私。だから自分基準の違う解釈で受け取ることがある。
そうすると康太から「違う違うあの人はそういうこと言ってるんじゃなくて、こういう意図があって言ってるんだよ」みたいな。でもそれに気付くまではずっとプリプリしてる。「なんであの人あんなこと言うの!」みたいな(笑)
康太:そう、集団でいるときに晴香がなんか言って、「え〜やめてよぉ」とか「え、そこは察して」って思うことは結構ある(笑)
晴香:ストレートに言われないとわかんないから、遠回しにフィルターかけて言われると、それ通りに「あ、じゃあもうしなくていいんだ」とか「じゃあなたはそう思ってるんだね」とかになっちゃう。ほんとは違っても(笑)
最後に
ー日本はトップのビジョンを下に伝える『副リーダー的存在』が少ないって聞いたことがあるのですが、康太さんは『THE 副リーダー』という感じですよね。
康太:部長にはなったことがなくて、副部長とか部長がダメな時にキャプテンをやらされるっていう感じでした。中間管理職的な、上もいるし下もいるしみたいな板挟みな感じは、癖みたいな染み付いたものっていうのはあるけど。
ー良い人材を味方にしましたね(笑)
晴香:妹にも言われました。「なんで康太ってあんなにできないの?」っていう愚痴を妹に言ったら、あとで妹がお母さんに「多分すごいのは康太君だと思う。」とか言って(笑)
(笑)
晴香:裏切らない味方がチーム内にいるっていうのはすごい強いなって思いました。家族が味方でも家族はOtoBじゃないから。
康太:まぁまぁ確かに(笑)